包絡線で QE
前回の図を見ると,この解集合の境界は,どうやら2本の線分と謎の曲線とで構成されているようです.
線分については
に対する の一部と推定できますが,いい感じに曲がった部分を見て,何とかそれを表す「式」を得られないかと思うのは自然な反応でしょう.
以前の記事で,小数表示された数の「正体」を Wolfram|Alpha に尋ねたように,境界に属する(と思われる)点を通る曲線の式を,いわゆる curve fitting で見付けるという道があり,Mathematica にもその種の関数群(http://reference.wolfram.com/mathematica/tutorial/CurveFitting.ja.html)が実装されています.しかし,それでは何と言うか「オートマチック度」が下がってしまい面白くありません.
幸い今回の目的に対しては,包絡線という解決策あり,その曲線の媒介変数表示を得ることが可能です.すなわち, は高々有限個の を除いて直線を表しますので, の適当な区間内 において常にその直線に接する曲線が の可微分関数を成分とする接点により, と媒介変数表示されるなら,関数 は 上で常に
従って
を満たしますが, の最初の 2 項は,接線の法線ベクトルと方向ベクトルとの内積なので ですから, は
となります.そこで,実際に
Solve[{f[a[1],a[2],x] == D[f[a[1],a[2],x], x] == 0}, {a[1], a[2]}]
と入力すると,Mathematica は
と(分母が non-zero かを気にせず)答えるので,適当な範囲で ParametricPlot すると,確かに
となっています.