HOL Lightとは?

 話が前後しますが,HOL Lightの紹介です.
 私の学生時代の愛読書に『数学の基礎』(日本評論社)という島内剛一先生の労作があります.これは初等超越関数までを数理論理の手法により構成したもので,現在においても類書のない一冊だと思います.
 一方,計算機を用いて,この数理論理の手法により数学を構成する試みが,Automated Reasoning(自動推論)
http://en.wikipedia.org/wiki/Automated_reasoning
Automated Theorem Proving(自動定理証明)
Automated Deduction(自動演繹)
http://en.wikipedia.org/wiki/Automated_deduction
Formal methods(形式手法)などの名の下で
http://www.mcs.anl.gov/research/projects/AR/others.html
http://www.cs.cmu.edu/afs/cs/project/ai-repository/ai/areas/reasonng/atp/systems/0.html
http://www-formal.stanford.edu/clt/ARS/systems.html
http://www.ucalgary.ca/aslcle/logic-courseware
http://www.cs.ru.nl/~freek/100/index.html
http://www.cs.ru.nl/~freek/demos/
のように進められており,特に有名なのが,Isabelle/HOL
http://www.cl.cam.ac.uk/research/hvg/index.html
および,Mizar/QED Project
http://mizar.uwb.edu.pl/
http://mizar.org/qed/
です.
 前者は,証明全体を記述し読み込ませるタイプのシステム,後者は,証明内の処理(tactic)のコマンドを列挙するスタイルのLCF直系のシステムで,日本語で読める解説として,Isabellaについては
http://d.hatena.ne.jp/caeruiro/
Mizarについては,信州大の
http://markun.cs.shinshu-u.ac.jp/kiso/projects/proofchecker/mizar/index-j.html
がありますが,HOLシリーズのHOL4
http://hol.sourceforge.net/
HOL Light
http://www.cl.cam.ac.uk/~jrh13/hol-light/
ProofPower
http://www.lemma-one.com/
についてはないようです.
 HOLシリーズの本家はHOL4ですが,こちらはどなたかにお任せするとして,このブログでは(プログラム検証などの生臭い話ではなく)数学を指向し,QEなども取り入れCASよりの立場ながら,トップクラスの証明能力を有するHOL Lightについて,気軽に読めるものを書いて行こう思っています.(影の声:Theoremaはどうした!)