QE で可換
今回も線形代数の話題です.
2 次の正方行列 が を満たすならばスカラー が存在して
となるための の条件を考えます.
まず行列を
A:={{a,b},{c,d}};X:={{x,y},{z,w}};E2:={{1,0},{0,1}};O2:={{0,0},{0,0}};
のように準備し,それらについての等式を LogicalExpand 関数で展開して,上記を論理式で表し,QE します.
Reduce[
ForAll[{x, y, z, w},
LogicalExpand[A.X - X.A == O2 ],
Exists[{s, t}, LogicalExpand[X == s*A + t*E2] ]
]
]
すると Mathematica は
b != 0 || c != 0 || a (a - d) != 0 || (a - d) d != 0
と答えますが,見難いので
Reduce[ Not[%] ]
のように否定をとると
(c == 0 && b == 0 && a == d) || (d == 0 && c == 0 && b == 0 && a == 0)
となり,仕上げは QEPCAD B で
rlqepcad *1;
のように QE すれば
a - d = 0 and b = 0 and c = 0
と出力されます.よって,条件は「 がスカラー行列でないこと」と判ります.
*1:c = 0 and b = 0 and a = d) or (d = 0 and c = 0 and b = 0 and a = 0