京都大学理学部特色入試[4]

ちょっとした経緯があり,解いてみました.

 $O$ を原点とする $xyz$ 空間内の任意の点 $X=(x,\ y,\ z)$ に対して,$X'=(0,\ y,\ z)$ とし,$X$ と $x$ 軸との距離を ${d}({X})$ で表すと,${d}({X})=\sqrt{y^2+z^2}=\left|\overrightarrow{OX'}\right|$ だから,$4$ 点 $V_i\ (i=1,2,3,4)$ と和が $1$ である非負の $4$ 数 $t_i\ (i=1,2,3,4)$ に対して,$T_1=\sum_{i=1}^{4}{ t_i V_i }$ とおくと

$${d}({T_1})=\left|\sum_{i=1}^{4}{ t_i \overrightarrow{O{V_i}'} }\right| \le \sum_{i=1}^{4}{ t_i \left|{\overrightarrow{O{V_i}'}}\right| }
=\sum_{i=1}^{4}{ t_i {d}({V_i}) }\le\max\{{d}({V_i}):i=1,2,3,4\}$$

さらに,$x$ 軸上の $2$ 点 $T_2,\ T_3$ に対して,$3$ 角形 $XT_2T_3$ の面積を ${m}({X})$ で表すと,${m}({X})=\left|{\overrightarrow{T_2T_3}}\right|\times{d}({X})/2$ だから

$${m}({T_1})\le\max\{{m}({V_i}):i=1,2,3,4\}$$

したがって,設問の $\mathrm{P,\ Q,\ R}$ を逐次 $T_1$ とし,この不等式の右辺を与える $4$ 面体 $\mathrm{ABCD}$ の頂点に移せば,面積が減少しない $3$ 角形の列が得られ,$4$ 面体 $\mathrm{ABCD}$ の面に至る.