CAD-QE on Risa/Asir(特徴)

CAD の要は,projection と代数体上での根の分離です.

昨年の maxima における実装は,Lazard method と複素数値根のクラスタリングのための pscs の計算(Mathematica 似)との併用というスタイルであり,それは primitive elements の計算(squarefree norm や代数体上の多項式の GCD の計算)が maxima では非常に重いことによる選択でしたが,肝心の多倍長浮動小数点数の計算も maxima では高速とは言えず,求根には外部の MPSolve を用いていました.

そうした経緯から,Lazard method の軽さを損なわない,primitive elements 生成の実装を探した結果,PARI+Singular での実装(後日公開予定,かなり高速)に至る訳ですが,当初,多変数多項式因数分解(PARI での実装は実験的かつ遅い)などを含むルーチンには,Risa を利用しており,今回公開したコードは,それと Risa の特長の一つである逐次拡大体上の各種関数とを組み合わせた,Risa/Asir(PARI ライブラリも含む)プロパーな CAD-QE 関数です(ので,速度は関心の外ということに).